教員の懲戒処分半減 フォローアップ委終了「効果まだ」の声も 長野

教員の懲戒処分半減 フォローアップ委終了「効果まだ」の声も 長野
産経新聞 2015年3月27日 7時55分配信

 相次いだ教員の不祥事を受けて、その後の改善状況を検証してきた県教育委員会と県の「教員の資質向上・教育制度改善フォローアップ委員会」(委員長・赤羽貞幸信州大副学長)が25日、県庁で最終会合を開き、その役割を終えた。

 平成24年度は6件の児童や生徒へのわいせつな行為による懲戒免職をはじめ、47件の懲戒処分があり、教育に対する県民の不信感が頂点に達したが、県教委が再発防止と教員の資質向上に取り組んだ結果、26年度の懲戒処分は20件まで減少した。

 教員不祥事の抜本的な再発防止策を打ち立てるため、県教委と県は年度途中の24年8月に有識者らによる「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」を設置。

 24年3月にまとめた提言は、教職員の倫理向上策から研修・評価方法のほか、教育委員会のあり方まで多岐に及んだ。フォローアップ委員会は25年6月に設置され、提言をまとめた46項目の行動計画の実施状況をチェックし、アドバイスしてきた。

 最終会合では、24年度に10件あった免職の件数が26年度には2件まで減少した点などを高く評価。教員研修体系策定やコンプライアンス委員会設置から教員の採用・人事制度の大幅な改定まで、行動計画に基づいて行われてきた改善の取り組みが報告された。

 これに対し、委員からは「素晴らしい成果が出てきた」(大久保和孝新日本有限責任監査法人CSR推進部長)と評価する意見が出た一方、「一定の成果は出たが効果はまだ出ていない。効果を出す仕組みを考えてほしい」(戸田忠雄政策研究大学院大学客員教授)という注文や、「それぞれの懲戒処分の向こうにショックを受けた子供たちがいることを考えたい」(伊藤かおるコミュニケーションズ・アイ社長)と指摘する意見も出された。

 これを受けて、阿部守一知事は「(教育改善の取り組みは)まだスタートしたばかりだ。教育を県政の柱に据えて子供たちのためにどうあるべきか、しっかりと進めたい」と強調した。

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